クスリのロゴ

からだを温めることで病気を予防!冷やしている6つの原因を解消

からだを温めることで病気を予防!冷やしている6つの原因を解消

更新日:

ポイントは「温める」ということ
からだを温めることが大切風邪は万病のもと」といわれるが、風邪のことを英語でcold(冷え)という。

これは、「冷えは万病のもと」といいかえてもいいわけだ。葛根湯は、体を温め冷えを改善するから、万病とまではいかなくても、かなりの病気に奏効するのである。だからこそ葛根湯医者も生計を立てられたのであろう。

ヒトは、動物のような体毛がないことからも、もともと熱帯に発生したと推測されている。学説では300万年前にアフリカ大陸でゴリラから派生したとされている。

よって、暑さに耐えるための体温調節器官は存在するが、寒さに対する特別な機能を持っていないため「冷え」に弱く、冷えるとさまざまな病気にかかりやすくなると考えられる。

たとえばこのようなことだ。
冬には風邪や肺炎、脳卒中や心筋梗塞、高血圧などの循環器疾患は当然としても、それ以外でも、ガン、腎臓病、糖尿病、膠原病など、ほとんどの病気での死亡率が上昇してくる。

また、外気温や体温が一日中で一番低くなる午前3~5時が、人の死亡率が一番高くなるし、喘息発作やアトピー性皮膚炎のかゆみがひどくなったりするのもこの時間帯が多い。

健康な人でも、概して起床時から1~2時間は体が重かったり、ボーッとしていたり、気分が沈みがちになったりなどと、何となく調子が出ないものだ。

低血圧の人やうつ病の人はそれがさらに顕著になる。しかし、午後になるとだんだん調子が出てきて、暗くなる頃からますます元気になり、よいっぱりという人も多い。こうした現象は、すべて体温の変化が大きく関係している。

明け方に最も低くなった体温は、午後5時頃まで徐々に上昇し続けるからである。ふつう、午後2時から8時頃までが体温が一番高くなる。1日の最低体温と最高体温の差は、1℃くらいにもなるのである。

体温が下がると、どんな症状が表れるか
36.5℃―健康体、免疫力旺盛
36.0℃―ふるえることによって熱産生を増加させようとする
35.5℃―恒常的に続くと排泄機能低下、自律神経失調症状が出現
35℃―アレルギー症状が出現、ガン細胞が最も増殖する温度
34℃―おぼれた人を救出後、生命の回復ができるかギリギリの体温
33℃―冬山で遭難し、凍死する前に幻覚が出てくる体温
30℃―意識消失
27℃以下―死体の体温


冷えは、あらゆる不調の原因に
冷えている自覚がある人もない人も、朝、起きぬけに自分のおなかに手のひらをあててみてください。ひんやりしているようなら、いまやっている健康法が体を冷やして、逆に病気を呼び込んでしまっているかもしれません。

体の冷えは、実はさまざまな体のトラブルを引き起こす深刻な症状です。「なんとなく体調がよくない」「疲れやすい」「肩こりや腰痛がつらい」「メタボ気味で血糖値や血圧がちょっと高め」などなど、あらゆる不調や病気の原因は「冷え」にある場合が多いのです。

実際、具合が悪い人の体はたいてい冷えきっています。
東洋医学では、診療をするときに「腹診」(おなかに手をあてて診断する方法)を行ないますが、うつ病、不妊症、がん患者のほぼ全員冷えています。

体を冷やすと健康のために必要な機能が低下する
なぜ、体を冷やすのが問題なのかをお話ししましよう。
人間の体内では生命活動を維持するために、さまざまな酵素が活動しています。

細胞の合成や分解、食べ物を体組織とエネルギーに換える代謝などもすべて酵素の働きですし、酵素には脂肪やタンパク質、糖の分解やインスリンの生成を担うものもあります。

この重要な酵素が最も活発に働いてくれる体温は36.5~37度で、体を冷やして体温が1度下がると、酵素の働き50%以下に落ちてしまうものもあります。

そのため、低体温では「タンパク質の合成酵素」が働かず、体に必要な物質がつくれません。また、「糖や脂質が分解できない」、「インスリンが十分に生成されない」となると、糖尿病や脂質異常症など代謝性の病気を呼び込みかねません。

さらには、人間がもともともっているがん遺伝子(プロト遺伝子)を修復する酵素の働きも悪くなり、がんのリスクを高めてしまいます。
健康のために不可欠な酵素の活性を決めているのが体温だといっても、過言ではないのです。

冷えの原因はストレスにあり
体温を上げたり下げたり調節しているのは自律神経です。自律神経には体を緊張させて活動に備える交感神経と、体をゆるめてリラックスさせる副交感神経があり、状況に応じて交感神経と副交感神経をうまく使い分けながら、さまざまな生命機能を調整しています。

ストレスを受けると交感神経が優位になり、交感神経の末端からノルアドレナリンが分泌されます。そうすると、副腎皮質からステロイドホルモンが分泌され、血小板が集まって血液が固まるのを促進します。

血管も収縮して、血液がドロドロになって流れにくくなり、熱を運べなくなるため、冷えが起こるのです。つまり、冷えの原因の1つはストレスなのです。


知らず知らず体を冷やしている「6つの原因」
私たちの体にはこのようなメカニズムが備わっているのに、なぜ、現代人の体温は下がってしまっているのだろう。大きく分けて6つの要因が考えられる。あなたにも心当たりがあるはずだ。

①筋肉不足(特に下半身)
これまでの事実から、運動不足、つまり筋肉運動の低下が産熱量の低下をもたらすことが推測できる。人間の筋肉の70%以上は腰より下に存在しているのだから、よく歩くことや、下肢を使うスポーツが大切なことも理解できるだろう。

② 夏型の暮らしを1年中することと冷房の悪影響
現代文明社会では、電車やバス、クルマなどの乗り物の中、オフィスやデパートの中、それに自宅の中までクーラーが利いている。夏はそもそも人間の体の基礎代謝が低下し、産熱しにくい状態にある。

これは暑さをしのぐためだ。アイスクリーム、ビール、氷菓子、冷や麦、生野菜など、体を冷やす食べ物を多くとり、食べ物からも体を冷やして暑い夏を乗り越えようとするのが先祖から伝わる生活の知恵であったわけだ。

つまり、夏には体を冷やすための体の生理や生活習慣が備わっているのである。

③ストレスで血行を悪くしている
現代文明社会はストレス社会でもある。
ストレスがかかると、緊張のホルモンであるアドレナリンやノルアドレナリンの分泌が高まり、血管が収縮して血行が悪くなり、やがて体温が低下してくる。

④入浴法が悪い
最近の若い人たちの間では、特に夏になると湯舟にしっかりつからずに、シャワーだけで入浴をすませることが多いようだ。これも、低体温化の一因である。

⑤ 薬(化学薬品) ののみ過ぎ
化学薬品は甲状腺ホルモン剤を除けば、ほとんどが体を冷やすと考えていい。
その最たるものが解熱剤である。

リウマチの人に対し、「あなたはお茶や果物が大好きでしょう」と尋ねると、びっくりしたような顔をされ、異口同音に「どうしてわかるのですか。どちらも大好きです」との答えが返ってくる。

お茶はビタミンCや抗酸化物質のカテキンを、果物もビタミンやミネラルや酵素類を多く含み、ある面、健康食品ではあるのだが、お茶の9.6%は水分であるし、果物も水菓子の異名があるように、90%以上は水分でできている。

したがって、あまり体を動かさない人がお茶や果物ばかりとっていると水分過剰になり、体を冷やして痛みの病気になりやすいわけだ。

リウマチをはじめ、痛みには鎮痛剤を処方するのがふつうである。しかし、その時の一時的な痛みは止めても、鎮痛剤は鎮痛解熱剤ともいわれるように、ほとんどが体を冷やす作用があるので、次の痛みを作る準備をするようなものなのである。

その点、漢方のリウマチの薬の桂枝加九附湯は、発汗、利尿を促して水分を追い出し、体を温める薬なので、理にかなっているといえるだろう。鎮痛、解熱剤に限らず、ほとんどの化学薬品は体を冷やす

それは薬の副作用によって、時として生ずる薬疹(ジンマシン、湿疹)や嘔吐を考えればわかる。薬で体が冷えるので余分な水分を体外へ排泄し、体を温めようとする反応だからである。

⑥からだを冷やす食べ物を摂っている
詳細解説ページ



この記事を見た人は、下記にも注目しています!