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からだの痛みや熱など不調のほとんどは温めることで改善できる

からだの痛みや熱など不調のほとんどは温めることで改善できる

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痛み(頭痛、腰痛、腹痛、生理痛)
大半の「痛み」は「冷え」と「水」が原因で起こる。だから寒い冬や雨の日、または冷房の中では痛みが増悪するし、入浴すると痛みが軽減されるわけだ。

したがって、「痛み」に対しては、とにかく体を温め、利尿や発汗を促して余分な水分を排泄することが重要である。

西洋医学で使われる一般の鎮痛剤は、ほとんどが解熱作用(体を冷やす作用)も併せ持っている(鎮痛解熱剤)ため、当座の痛みは止めても、また次の痛みの原因になることも往々にしてあるので、連用する時は注意を要する。

その点、漢方の頭痛薬である葛根湯は体を温めて発汗させるし、苓桂北甘湯は利尿を促す薬なので、根本療法の薬といえる。
また、リウマチの漢方薬である桂枝加尤附湯も体を温め、利尿を促す薬である。

頭痛、腰痛、腹痛、神経痛などの痛みには、以下の方法を家庭で試すといいだろう。

①「ネギ加生姜湯」(生姜湯にネギを加えたもの)を1日2~3回飲む
《用意するもの》
ネギ(白い部分)、生姜のすり下ろし汁少量

《作り方》
〈1〉ネギ約10gを刻み、湯飲み茶碗に入れる
〈2〉生姜を下ろしてガーゼで搾り、①に約5cc加える
〈3〉熱湯を茶碗に半分くらい注いで飲む

②生姜紅茶を1日3~4杯飲む
利尿作用と保温作用を持っているうえに、生姜のジングロール、ジングロンという辛味成分には鎮痛作用がある

③全身浴後に半身浴をして発汗する
あるいは生姜風呂(生姜1個をすり下ろして直接または布袋に入れ、湯舟につける)や塩風呂(ひとつかみの粗塩を湯舟に入れる)に入り、体を温めて発汗する。患部に生姜湿布を当てる


発熱
発熱とは「血液の汚れ」を燃焼している状態である。したがって、化学薬品のいわゆる解熱剤でむやみに下げると、一時的には気分がよくなったとしても、再発したり、かえって病気が長引いたりすることが多い。

しかし、そんな発熱時に漢方の葛根湯を服用すると、発汗した後に熱が下がってくる。

これは体内の老廃物を汗で出したために、発熱する理由がなくなるからである。よって、以下の発汗させて解熱を図る方法のうち、やりやすい方法をひとつでもやるとよい。

①生姜紅茶、生姜湯、梅醤番茶、ダイコン湯を1日に2~3回服用する

②ネギの白い部分(2本分)を細かく切って生のままどんぶりに入れ、適量の味噌を加えて熱湯を入れて飲む

③熱い味噌汁にネギをたくさん入れて飲み、すぐ就寝する

④生ジュースとして、
ニンジン2本(約400g) 240 cc
リンゴ2/ 3個(約200g)←160 cc
キュウリ1本(約100g)←80cc
レモン1/ 2~1個 (約50g)←30cc
=計510cc
(コップ3杯)
を1日に1~3回に分けて飲用する

これはニンジンの体を温める作用、リンゴ酸の消炎効果、キュウリの利尿作用が相乗的に働いて血液の汚れを浄化する。また、レモンのビタミンCは白血球の貪食力を促進するので、老廃物の貪食。殺菌作用が高まる効果もある。


疲労、倦怠感、夏バテ
脳や筋肉をはじめ、全身を作っている60兆個の細胞のエネルギー源は糖分である。したがって、糖分が不足すると、ふるえ、脱力感、しびれ、冷や汗などの症状が出現し、ひどくなると失神を起こす低血糖発作が出てくる。

タンパク質や脂肪が不足しても、低タンパク発作や低脂肪発作などの発作は起きないことを考えると、人間の活動に一番大切なのは糖分ということになる。

この糖分を体内で効率よく利用・燃焼してくれるビタミンがビタミンBである。疲れ対策として効果的なのは、このビタミンBと糖分をしっかりとることや、体を温めて血行をよくするための以下の方法を実行することである。

①ネギ、ニラ、ニンニク、タマネギ、ラッキョウなどアリウム属の野菜は、血行をよくする硫化アリルや疲労回復に必須のビタミンB‐を多量に含むので、いろいろと工夫してとり入れるようにする。

〈1)「ニンニク加生姜湯」を飲む
ニンニク20g (皮をむく)、生姜20g (皮つき)をそれぞれ薄切りにし、コップ3杯(約500ml)の水を入れた鍋で、水が半量になるまで煎じる。煎じ汁をこしてハチミツを少々加え、温かいうちに飲む

〈2〉ネギ加生姜湯を飲む

〈3〉ネギ、カツオブシ、しょう油、水、すり下ろし生姜を混ぜ合わせ、よく煮て食べる

②生姜紅茶にハチミツや黒砂糖を多めに入れて、1日数回飲む

③お酒の好きな人なら、生姜入り日本酒(日本酒の熱カンにすり下ろし生姜を適量入れる)を飲む

④生ジュースとして、
ニンジン2本(約400g)← 240cc
リンゴ2/3個(約20O g)←160cc
タマネギ(約23g)←12cc
=計412 cc (コップ2杯強)を飲む

⑤入浴は血行をよくし、精神の疲労もとってくれるシソの葉風呂(シソの葉100~200gを刻んで布袋に入れ、湯舟につける)に入るといい


夜間頻尿、精力減退、抜け毛、自髪
加齢とともに下肢・腰の筋力が低下し、下半身が細くなってくる。こうなると腰痛、ヒザの痛み、下肢の冷え、むくみ、インポテンツ、頻尿などの下半身の衰えの症状に比例して、目の疲れ、老眼、耳鳴り、聴力低下、抜け毛、自髪といった老化現象が目立ってくる。

こうした症状を漢方では「腎虚」という。腎とは腎臓も含めた泌尿器や生殖器の力、命力を含めた漢方特有の名称である。

こうしたさまざまな老化の症状を改善するには、まずは以下のように下半身を強化することが先決である。

①「相似の理論」でいえば、人間の下半身は植物の根にあたるので、毎日ゴボウ、ニンジン、レンコン、ネギ、タマネギをキンピラゴボウやタマネギのサラダ(タマネギとダイコン、ワカメをスライスして、しょう油味ドレッシングをかける)にして食べ、特にヤマイモは腎虚を回復させる力が強いので、次のようにして存分に食べるといい

〈1〉トロロそばや麦トロにして食べる
〈2〉ヤマイモ梅干しを食べる
〈3〉酒の好きな人は、ヤマイモ酒を就寝前に30mlくらい飲んで寝る

ゴマはタンパク、脂肪、ビタミン、ミネラルを多く含み、強壮強精作用があるので、次のような食べ方でどんどん食べる

①黒ゴマ塩をご飯にふりかけて食べる

②「ゴマハチミツ」を毎日食べる
《作り方》
市販されているクリーム状の練リゴマとハチミツを3対2の割合で混ぜて食べる

③「黒酢に黒ゴマ」を毎日スプーン2杯くらい飲む
《作り方》 適量の黒酢に、その半量の黒ゴマを加え、約1カ月置くとでき上がる

④牡蠣は「セックスミネラル」といわれる亜鉛成分を多く含むので、牡蠣の季節には生牡蠣や牡蠣鍋を常食する

⑤ウォーキングやスクワット運動で下半身を鍛える

⑥下半身の血行をよくするため、入浴は全身浴の後、温かいシャワーを浴びて少し休んでから半身浴をする


吐き気や二日酔い
吐き気や二日酔いは、胃の中に余分な水分(薄い胃液)が大量にたまると起こりやすい。

ビールの93%、日本酒の86%は水分なのだから、アルコールの飲み過ぎによる吐き気や二日酔いは急性「水」症状なのである。

したがって、その対策としては、胃を温め、嬬動をよくして、水分を消化管の下(小腸、大腸)のほうへ送り、水分の吸収をよくして、尿で捨てるようにすればよい。
そのためには、以下の方法が効果的である。

①梅干し1個をコップ2杯強(約400ml)の水を入れた鍋で水が半量になるまでこの梅干しの煎じ汁を少しぬるくなってから飲む

②シソの葉4~5枚を刻んで、コップ2杯強の水を入れた鍋で水が半量になるまで煎じ、この煎じた汁にすり下ろし生姜を適量入れて飲む

③梅醤番茶を熱くしてコップ2杯飲む

④サウナ浴や半身浴で大量の汗をかく。汗を出すことで水が改善し、体が温まるので各臓器での代謝がよくなる。その結果、水分やアルコールが消費され、吐き気や二日酔いがとれる

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