1日2リットルの水を飲むは間違い!水毒や生活習慣病に注意
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冷たい水を飲み過ぎると、逆に血液がドロドロになる
冷たい水の飲み過ぎは体を冷やしてしまう1日2リットルの水をとると、血液はサラサラになる。こう思い込んでいる人がたくさんいます。これは、「心筋梗塞と脳梗塞の原因となる血栓を防ぐためには、水分をとって血液をサラサラにするように」と医者が指導してきたためです。
そこで、「水飲み健康法」などがよく取り上げられて「1日2リットルは飲む」ことが推奨され、どこへ行くにもミネラルウォーターのペットボトルをもち歩く人が増えています。
しかし、水をたくさん飲めば血液がサラサラになるわけではありません。それどころか、水を飲み過ぎると、血液がサラサラになるどころか、体を冷やして体温が下がり、逆に血液がドロドロになってしまうのです。
血液は体温によって粘度が変わる
血液の粘度は温度によって変わります。血液の温度を下げると、粘度が上がってドロドロの状態になり、温度を上げると、粘度が下がってサラサラの状態になります。
そのため、低体温になると血液の流れは滞るのです。
体内では血液がつねに循環していて、赤血球は酸素を運び、白血球は免疫を担当し、血小板は損傷を修復し、血漿は栄養分を運ぶとともに老廃物を運び出していますが、血流が滞ると、これらの働きができにくくなるのです。
たとえば血流が滞って血小板が運ばれなければ、血管が傷ついてもなかなか修復できません。また、血流が滞って血漿の流れが悪くなり、いらなくなった老廃物をうまく運び出せなくなれば、血管に老廃物が溜まって血管が細くなり、ますます血流が流れにくくなるという悪循環に陥ります。
さらに、血流が滞ると、代謝によって生成された老廃物を肝臓や腎臓に運び込むこともスムーズにできなくなるため、不要なものが毒素となって病気を呼び込むリスクも高めてしまいます。
水分のとり過ぎには生活習慣病を呼び込むリスクも
体質的に水分を溜め込みやすい人、冷えやすいタイプの人が、「2リットル」という数字だけにとらわれ過ぎて、体が求めてもいないのに、むやみに水分をとり過ぎてしまうと、冷えをひどくしてしまいます。
ましてや、缶コーヒーや清涼飲料水などの糖分が多い飲料は、さらに体を冷やす作用があるので気をつけましょう。
そして水や清涼飲料水、ジュースなどで多くの水分をとり、低体温(冷え)になっている人は、代謝が悪くなっているため、本来なら燃焼してしまうはずの血糖や中性脂肪、コレステロールが体の中に残ってしまいます。
そのため、高血糖や高中性脂肪、高コレステロールとなってきて、生活習慣病のリスクも高めてしまうのです。
冷たい飲み物や、アイスクリームなどの冷たい食べ物のとり過ぎにも注意しましよう。水やお茶はなるべく常温以上で飲むことです。
冷蔵庫に入れてあったものは、常温に戻してから飲食しましょう。または温めて、体温よりも高い温度のものを飲むようにするといいいでしょう。
必要以上に水を飲むと、体に溜まって水毒となり病気を呼び込む
体の中の水分量を調節するのは腎臓の役割ですが、水をたくさん飲むと尿として排出され、水を飲まないときは尿の量を少なくして水分を保とうとします。こんなふうに腎臓が調節するため、体内の水分の量は、実はほとんど変わりません。
そして、1500ccまでの尿であれば毒素が出ていきますが、これを超えると、毒はあまり出ていかなくなります。
一方、基礎代謝分の毒素が出ていくには、400ccの尿量が必要で、尿が400cc出なければ毒素は溜まっていってしまいます。
ですから、400~1500ccの間の幅というのが、尿を出していく意味のある量というわけです。つまり、1500ccまでの水は必要ですが、やたらと水を飲めばいいというわけではないということです。
腎臓は脱水してしまうとやられてしまうので、ある程度の水分量は必要ですが、1日1000~1500ccくらい飲めば十分です。
また、心臓に問題がある人は水をあまりとらないようにしたほうがいいでしょう。
水をとり過ぎると血液の量が増え、その分、心臓に負担がかかってしまうからです。
排泄されない水分が水毒を起こす
とり過ぎた水分が体の中に溜まって体に悪い影響をおよぼすことを、東洋医学では「水毒」といいます。水分過剰摂取ぎみの現代人には、水毒のある人が多いのです。
水毒のある人の特徴としては、胃の部分が冷たい、胃の部分をたたくとポチャポチャと音がする、下腹部がポッコリ出る、下半身太り、下肢のむくみなどがあります。
血液中の水分が多くなり過ぎると血液全体の量も増え、それを送り出すために血圧も高くなり、脳出血が起こることもあります。また、排泄できない水により体が冷やされるので、くしゃみや鼻水、下痢、偏頭痛、嘔吐などの症状が起こり、余分な水分の排泄が始まります。
水毒のある人は、体を温め、水毒の排泄につながる食品を積極的に食べましょう。
効果的な食べ物としては、赤、榿色、黄色、黒などの暖色の食べ物が多く、「寒い土地でとれたもの」、「冬に旬のもの」と大まかにイメージしておくとよいでしょう。
また同じ食材でも加熱したり、発酵させたり、乾燥させたりすることで温め度がアップします。たとえば、野菜はサラダよりも炒め物や煮物、漬物に。フルーツも、生よりドライのもののほうが体を温めます。
また、発酵食品も効果的です。味噌、しょうゆ、納豆なども積極的にとるといいでしょう。食材中の酵素が腸の温度を上げて、腸内の免疫活性や酵素活性を高めてくれます。ただし塩のとり過ぎには要注意です。
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