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病院で精密検査を受けて自分の健康のバロメーターを把握しよう

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病院で精密検査を受けて自分の健康のバロメーターを把握しよう

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健診を定期的に同じ施設で受けると、検査結果が保存され、自分のふだんの健康状態、血圧、脈拍、体重などの揺れ幅がわかり、病気で受診したときの参考になります。

また、経年変化をみることにより、病気でなくても、検査数値の変化をとらえ、生活を見直すきっかけにもなります。

健診でなんらかの異常が見つかった場合は、健診のあとに二次検査、精密検査、経過観察、あるいは治療など、数値や状態によってさまざまな事後指導があります。健診は受けるだけでなく、この事後指導に従うことが必要です。

健診で精密検査となったもののうち、本当に重大な病気(がんなど)である率は高くありません。健診は疑わしきはひっかけるので、事後指導に従って、必要な検査、指導、治療を受けることが大切です。

結局、疑われた病気はなかったというケースも検診では多いのです。こうしたときに、「それだったら精密検査を受ける必要はなかったんじゃないか」などと思うかもしれませんが、疑いを否定するために必要な検査だったということを理解してください。

二次検査は健診を受けた病院でも、近くの病院でも問題ありません。
ただし、健診を受けたことを生かすように、受診する際には健診結果を持参して、その旨を医師や看護師に伝えるようにしましょう。
また、その際の検査結果を翌年の検診時に報告すると、受けた精密検査の結果が生かされます。


検査項目一覧
身体計測
身長・体重・肥満度・BMl・体脂肪率・腹囲・血圧・脈拍
尿検査
尿比重、ph、尿淡白、ウロビリノーゲン、尿潜血
便検査
便潜血:二日法

血液検査
・自血球
・赤血球
・ヘモグロビン
・ヘマトクリット
・MCV
・MCH
・血小板
・白血球分画
・血液型
・総たんぱく
・アルブミン
・A/G上ヒ
・尿素窒素
・クレアチエン
・尿酸
・総ビリルビン
・総コレステロール
・LDLコレステロール
・HDLコレステロール
・中性脂肪
・血糖
・HbAlc
・AST
・ALT
・アルカリフォスファターゼ
・LDH
・γ―GTP
・Na
・K
・CI
・Ca
・P
・CRP
・RF a
・HCV抗体
・HBs抗原
・HBs抗体
・VDRL
・TPHA
・PSA
・TSH
・FT4など

1日人間ドックの流れ
①どこの医療機関で受けるか選べる場合は、それぞれの施設の特徴を知ったうえで選ぶとよい。予約すると説明書が届くので、よく読んで検査の目的、検査前日や当日の注意点などを知っておくとよい。

②あらかじめ指定された時間に、指定されたもの(質問票・尿・便・たんなど)を持参して受付をすませる。

③検査着に着替え、身長、体重、血圧など基本的なものを計測したり、採血をすませる。

④胸部×線検査、腹部超音波検査など必要に応じて画像検査が行われる。

⑤検査後に昼食などをとり、検査結果が出るのを待つ。結果をもとに医師や看護師、管理栄養士などから事後指導を受ける。

生活習慣、食習慣などのチェックも行われているので、健康状態を確認して必要であれば具体的な改善策が提案される。検査によっては、後日郵送されるものもある(医療機関によっては検査結果が郵送されることもある)。

⑥事後指導をもとに生活習慣を見直す。食事は規則正しくとる、適度な運動を心がける、禁煙へのチャレンジなど、自分でできることから始める姿勢が大切。

気になる症状が長く続くときには、健診を待たずに医療機関を受診する。また、健診後、気になる症状が出たときにも受診する。


生理機能検査
血圧・心電図検査・眼底検査、眼圧検査・視力検査・聴力検査、肺機能など

X線検査
胸部単純X線検査・胸部CT(50歳以上)
上部消化管X線検査

超音波検査上腹部超音波検査など
その他
骨量検査など
婦人科検診
子宮頸部細胞診・内診など
乳房自己視触診指導

*このほかにも、乳房×線検査(マンモグラフィ)、胸部CT、喀たん網胞診検査、上部消化管内視鏡検査、大腸内視鏡検査、メンタルチェックなどのオプションのほか、肺ドックなどもある。


検査数値の見方・とらえ方
結果の目安となる
基準植(基準範囲)とは
さまざまな検査のほとんどに基準値が定められています。
基準値は、かつては正常値と呼ばれていました。

正常値はもともと個人差が大きく、正常値をわずかに外れていても異常とは言い切れない場合があります。また、正常値内でもその人にとって異常でないとは言い切れない場合もあるため、基準値という表現に改められました。

基準値とは、一般的に多くの健常人(大きな病気にかかったことがなく、タバコをあまり吸わない、飲酒量がほどほどの健康な人)の測定値から平均値を算出し、その平均値を中央に挟んだ95%を含む範囲の値を指します。

医療機関や検査機関によって検査に用いる機器、試薬が異なっているので、基準値の数値も違ってきます。
そのため、基準値の数値は絶対的なものではありません。

数値の変化に注意する
検査数値は検査を受けたときの状況によって異なります。1回の検査結果だけにとらわれすぎないようにしましょう。基準値はあくまでも目安にすぎません。

個人差も大きいため、自分の数値の傾向や変化を把握することも大切です。できれば同じ医療機関で定期的に検査を受け、自分の数値の揺れを把握するようにしましょう。

コレステロールなどなんらかの数値が年々上昇していれば、基準値内であっても問題です。逆に、基準値外でも検診の数値が以前と変わらず、精密検査で異常がなければ問題ないと言えます。

異常があってもたまたまそのときは基準値内になる人もいるでしょう。1回の検査結果に一喜一憂することなく、定期的に検査を受け、自分の体質や傾向、病気を予防するための課題を知る、

言い換えると、自分の健康状態を知ったうえで、できることは何かを知り、それを実行するという姿勢(態度)が大切なのです。

検査数値の単位について
基準値の数値に使われている単位は、検査方法や試薬、検査機器などによって異なります。そのため、検査項目によっては基準値が施設ごとに異なるケースもあります。検査結果を確認するときには、自分が受けた施設の基準値を判断の基準にすることが大切です。

g、mg、リットル、デシリットル、分、mmなど日常的によく用いられているもののほかに酵素などの検査では∪ (ユニット)やIU (インターナショナル・ユニット)が単位として用いられています。∪は検査法ごとに決められている慣用単位のことで、IUは∪の国際単位です。

日本では慣用単位が一般的となっていますが、国際的に共通となっているSI単位が導入されつつあります。

SI単位では、物質量としてgのほか「mol(モル)」がよく用いられています。また、容積の単位には「ι」がよく用いられます。SI単位と慣用単位では、物質ごとに換算率が異なります。そのため、基準値が慣用単位とSI単位ではかなり異なり、海外で検査を受ける場合には単位とその基準値に注意しましょう。

このほかにも、血圧のmmHg(ミリメートル水銀柱)、聴力のdB(デシベル)、電解質のmEq(ミリイクイヴァレント)など、検査法によっては独特の単位が使われています。

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