クスリのロゴ

腫瘍やがんに関する検査数値から病名がわかる一覧表

腫瘍やがんに関する検査数値から病名がわかる一覧表

更新日:

腫瘍マーカー
AFP(α-フェトプロテイン)
【検査の目的】
・AFP(α-フェトプロテイン)は、妊娠早期の胎児の血中に見られる血清タンパクの一種。
・原発性肝がんの判定に用いられる検査。
〈検査結果からわかること〉
●基準値は、実施施設で異なるが、10ないし20ng/ml以下としているところが多い。
異常値
高値
☆AFPは原発性肝がんに特異性が強い。
☆3000ng/ml以上:95%が原発性肝がん。
★200~ 3000ng/ml:75%が原発性肝がん。
★20~ 200ng/ml:原発性肝がんの可能性は少ないが、陰性のままの原発性肝がんの例もある。
★肝がんの大きさと検査値は比例しない。
★おもな疾患:肝芽腫、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、回復期の劇症肝炎、睾丸腫瘍、転移性肝がんなど。


PIVKA Ⅱ
【検査の目的】
・PIVKAⅡは、ビタミンK依存性凝固タンパクの1つであるプロトロンビンの異性体。
・ビタミンK欠乏時に肝臓や肝細胞がんなどで産生される。
・肝臓系腫瘍のスクリーニングや治療効果の判定に用いられる重要な検査。
〈検査結果からわかること〉
●基準値は、40mAU/ml未満。
●高値は、ビタミンK欠乏状態や肝細胞がんなどが疑われる。

異常値
高値
☆おもな疾患:第一に肝細胞がんが疑われる。ほかには、肝内胆汁鬱滞による相対的ビタミンK欠乏。

★その他の原因
肝硬変、慢性肝炎、急性肝炎、劇症肝炎、閉塞性黄疸、肝管細胞がん、転移性肝がん、ビタミンK措抗薬(ワーファリン)やセフェム系抗生物質などの投与時。

CA19-9
【検査の目的】
・CA19-9は、消化管系がんの腺がん組織に高率に存在する腫瘍マーカー。
・特に膵がんの診断や治療効果の判定に有用。

(検査結果からわかること〉
・基準値は、37U/ml以下。
・10~ 20代の女性や妊婦はやや高め。
・肝・胆道系の良性疾患でも高値となることがある。判定は、黄疸の有無やほかの検査による。

異常値
高値
☆膵臓がん、胆管がん、胆嚢がん:
陽性率60~ 80%。
★膵臓がん、胆道系のがんで開塞性黄疸を合併異常高値を示す。
★胃がん、大腸がん、原発性肝がん
陽性率20~ 50%。
☆胆石症、肝硬変、肝炎、胆管炎、膵炎など:
37~ 100U/mlと軽度の上昇。

CEA
【検査の目的】
●CEA(がん胎児性抗原)は、胎児の消化器組織だけに見られる糖タンパク。
●がんのスクリーニング、術後の再発、転移の発見に用いる。

〈検査結果からわかること〉
●基準値は、5ng/ml以下(測定キットにより異なる)。
●高値はがんの存在を示唆するが、良性疾患でも陽性が認められる。

異常値
高値
★おもな疾患:
大腸がん、胃がん、膵がん、胆道がん、肝がん、食道がん、肺がん、乳がん、甲状腺がん、生殖器がんなど。
☆著しい高値は、他臓器への転移が濃厚。
★良性での疑陽性:肝硬変、肝炎、膵炎、胆石、腎不全、肺炎、気管支炎、結核、潰瘍性大腸炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、甲状腺機能低下症など。

TPA
【検査の目的】
・TPAは、体内の腫瘍組織に見られる特殊なタンパク(腫瘍組織ベプチド抗原)。
・正常な組織には存在しない。
・ほかの腫瘍マーカーと組み合わせて用いる。

〈検査結果からわかること〉
●基準値は、70U/l以下。
●高値は、消化器系がんの疑い。
がん以外の炎症や感染症でも上昇する。

高値
☆高率で陽性となるがん:
胃がん、大腸がん、胆嚢がん、膵がん、食道がんなど。
★3000U/l以上の高値:
胃がんや肝細胞がんの可能性が高い。
★その他の原因:乳がん、肺がん、生殖器がん、良性疾患(急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、胃演瘍など)。


この記事を見た人は、下記にも注目しています!