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消臭成分の入った消臭効果のあるタイプ別商品の特徴まとめ

 

消臭成分の入った消臭効果のあるタイプ別商品の特徴まとめ

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消臭成分の入った消臭効果のあるタイプ別商品の特徴まとめ

消臭商品の特徴と違いとは?
各メーカーが互いに定めた商品区分によると、芳香剤(空間に香りを出すもの)、消臭剤(臭気成分を化学的に除去したりマスクする成分を有したりする商品)、脱臭剤(臭気成分を物理的に活性炭などに取り込み除去、緩和する)、防臭剤(臭気の発生や拡散を防ぐためになんらかの成分を添加するもの)に大別されます。

これらは使い方や場所に応じていくつかの商品パターンに分けられます。当然例外的な商品もありますが、まずはそれぞれのカテゴリーの商品がどうやって臭いを消しているのか知っておきましょう。

据え置き式(ゼリータイブ、活性炭などの吸着剤タイプ)
プルンとしたゼリーのようなものに消臭成分が固定されたもの。その正体はゲランガムやウェーランガムといった食品添加物として、硬いゼリー、常温でも崩れない羊雲のようなゼリーを作るゲル化剤で、双性界面活性剤とかの消臭成分の他、香料が足されているもの、足されていないもの(無香料)というように商品展開されています。

ゼリータイプの商品は空気に触れた部分からゼリーがしぼんで水が抜けていくときに、表面に出てきた消臭成分が臭いを吸着していくというメカニズムのものが多いのです。

それゆえ、無香料のものは、生き物の横などに置いても消臭成分が部屋に充満するというよりも受け身的に消臭しているので、最も穏やかな消臭方法といえます

また冷蔵庫の活性炭商品(キムコ等)は完全に物理的に臭気成分を吸着するだけというもので、水槽の横においても基本的に安全です。例えば、「消臭力ハーブグリーン朝もやの草原」(エステー)は、青葉アルデヒド配合で集中力が高まりそうです。



スプレー式(ガス圧ス・プレーと霧吹き型)
スプレー式の消臭成分は、据え置き式と似ていてもユーザーがみずからまくわけですから、能動的にばらまかれる消臭剤となります。

そうなると安全性に疑問が出てくるわけですが、それらの成分は大まかに2種類、コカミドDEAなどのアミノ酸系シャンプーにも使われている両極性界面活性剤とオリゴ糖の一種と言えるデキストリン(メチル化βシクロデキストリン)が使われています。

いずれの成分も臭気成分を分子の中に箱の中に収納するように閉じ込めてしまいます。
その後は、無臭の物体となったまま乾燥して床に落ちます。

なので、ぬいぐるみやベッドカバーなどを消臭剤でシュッシュしたからといって臭い自体が消えたわけではありません。単に、感じなくなっているだけ。拭き掃除や定期的に洗いおとすことをしなくては汚れがたまる一方ということです。

一部ではゴキブリに消臭剤をかけると死ぬ……だから消臭剤は!という話がありますが、それは両極性界面活性剤が昆虫の気門(呼吸のための穴)に詰まり、またアルコール類が中に浸透することによるショック状態であり、神経に作用し生命活動を止める殺虫剤とはメカニズムが違うので人間にも有害という解釈は間違いです。

そういった意味で人間への刺激性などは各社相当気合いを入れて実験をした結果のものなのですが、ペットや肌が敏感な子どもがいる家庭では注意して使いましょう。

いずれの成分にもバラベン類のような防腐剤が含まれており、皮層に接触しつづけることは望ましいと言えないので、汗臭いからとシャツを来た人に直接毎日のように吹きつけるのは問題です。

特に後述の除菌系消臭剤を人体へ吹きつけるのは良くありません。なお、最近発売された「香料無添加ファブリーズ」(P&G)は、心配すべき成分が極めて少ないので安心感がさらに高いです。


電動式(コンセントタイプ)
電動式は、スプレー缶がセンサーで動作するものと、中の電熱によりゆっくりと消臭成分が揮発していくものに分けられます。成分が熱に強いものでなければならず、加熱蒸散で消臭効果を持つ成分は限られるので、スプレー式に比べると消臭力は弱いものが多いのです。

ただ、植物由来の香りの良い成分でスプレータイプに使えない蒸気圧の低い(蒸発しにくい)成分も強制的に蒸発させることで、良い香りを安定して持続させることができるという利点もあり、一概に弱い商品とはいえません。寝室などに好みの香りを維持しておきたい人などには打ってつけといえるでしょう。

商品としては「ペット用消臭カプラグタイプノコンセント式」(エステー)などがあります。「ペット用」をうたっているものは動物(哺乳類)、子どもに特に注意してつくられています。また、消臭成分が多くしっかり臭いを抑えてくれます。

使いすぎに注意が必要な抗菌商品
ただし、こうした消臭商品でも注意すべき商品もあります。それが除菌や殺菌、抗菌をうたう商品群です。昨今の潔癖すぎる衛生ムードの中で、消臭剤にさらに殺菌成分を持たせてより衛生的にというイメージを持たせて販売されています。


これら殺菌剤は、銀イオン系のものや、四級アンモニウム塩であるベンザルコニウムなどの逆性石けん成分などが使われており、一時的な除菌には便利ですが、肌に触れ続けるものとしては薬品焼けなどを起こす可能性もあります。

こうした除菌剤入りの消臭スプレーは直接触れることがなく臭いが発生しやすい下駄箱や、靴の中敷きなどに使うべきで、あまり部屋にパンパン撒いても良いとはいえません。

メーカーとしても注意書きを入れていますが、さほど目立つように書かれておらず、使用者に責任を押しつけているような印象がありますね。

本来銀イオンでの殺菌は、その銀イオンの影響よりもっと抑えるべき危険な温水中のレジオネラ菌の繁殖抑制などで使われるべきであり、身のまわりをなんとなく除菌したいといった理由でばらまくのは望ましいとは言えません

中には消臭剤を過信するあまりに、ありとあらゆるものに除菌消臭剤をぶっかけて暮らすといった、潔癖症な人もいるようですが…。

表面だけの殺菌ではなく、こまめな掃除洗濯が肝心です。衛生的な暮らしをしているつもりが、いつのまにか皮膚の常在菌すら冒し、刺激性の高い化合物でコーティングされた日用品だらけになっては本末転倒ですからね。

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