クスリのロゴ

シャンプーの成分が3種類あるって知ってる?内容で頭皮への効果が違う

 

シャンプーの成分が3種類あるって知ってる?内容で頭皮への効果が違う

更新日:

シャンプーの成分が3種類あるって知ってる?内容で頭皮への効果が違う

「弱酸性」のワナ?高級アルコール系
500m入りで300円程度のものから1000円程度のものまで、薬局でも最も多く、安く売られているシャンプーの大半が、この高級アルコール系といわれるものです。

高級アルコールと言うとよくわからないのですが、食器用洗剤の親戚のようなもので、泡立ちと洗浄力が非常に高く、皮脂分泌の盛んな若い人であれば、通常は肌トラブルを起こすことはめったにありません。

とはいえ、この高級アルコールは乾燥肌だととたんに皮脂不足や、肌荒れの原因になることもあり、加えて下水処理での分解性が非常に悪く、何かと悪者にされている成分です。

成分欄を見ると、ラウリル硫酸なんとかやラウレス硫酸なんとか、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸なんとかかんとか。という成分表示になるのですが、あまりに種類が多いので一概には言えません。

ですが、パッケージにセッケン系やアミノ酸系と書かれていなければ、まずこの高級アルコール系だと思って間違いはないでしょう。

気になる場合は、ボトルなどに記載されている成分名をインターネットで検索してみると、どういった種類なのかがわかります。

ただし、検索時に注意をしたいのが、この高級アルコール系洗浄成分を「経皮」と呼び、悪魔の成分のごとき大バッシングをネット上で演じているオカルトめいた人たちの存在です。加えて気をつけたいのが、高級アルコール系シャンプーの中でも「弱酸性」と銘打たれたもの。

そもそも酸性の洗浄成分は逆性セッケンと言い、殺菌剤として病院のサニタリー消などに使われているもの。肌に対して負担が大きいと言えます。

弱酸性のものはそこまでではないものの、肌の常在菌に対して強力な殺菌作用を及ぼす可能性があり、その場合、皮脂を正常に分解する常在菌不在が起こり、結果的に肌荒れが進行することがあります。

テレビで山ほどCMを流している弱酸性シャンプーは、弱と銘打たれているのでなんだかお肌に良さそうですが、実はその逆で、肌への負担が高いと考える皮層科医が大半です。

特に老人介護センターなどでは、弱酸性シャンプーはもとより弱酸性セッケンはまず使われないことからも、加齢などで免疫力の弱い人ほど良くないようです。

一応フォローしておくと、これはあくまで一般論であり、肌質は人それぞれ、常在菌の種類も違うので、弱酸性系洗浄剤が肌に合う人もいるかもしれませんけどね。

いずれにせよ、これらのシャンプーは、洗浄成分自体がある程度の殺菌性を持つことが多いので、継ぎ足し利用しても相当無茶なことをしないかぎり腐敗が起きにくいというメリットもあります。

金工や土木作業といった土や油を多く浴び、汗をよくかく、肉体労働などをしている人の場合、この高級アルコール系シャンプーが、洗浄力という点では最も便利で唯一の選択肢にもなるので、一概に悪者というわけでもありません。商品例部いわゆる普通のシャンプー・リンス


使用期限に注意が必要:アミノ酸系
続いてアミノ酸系シャンプー。ボトルなどの成分表示にはココイルグルタミン酸なんとかんとかや、メチルアラニン云々と表記されており、これらは、ある程度化学の知識がある人なら「ああ、アミノ酸が使われてるのだな」とわかりますが、それは普通の人には難しいため、パッケージに「アミノ酸系」と書かれているかどうか、という部分でしか判別できません。

アミノ酸系シャンプーをすすめる理由としては洗浄力が低い代わりに、不必要な洗浄力がないからです。肌への負担が少ないのです。これらのシャンプーの最も良い選び方は、実際に美容院で髪質を診てもらい、オススメのものを選んでもらうという方法に尽きます。

他力本願ですが、プロに任せるのが一番です。そしてほぼ間違いなくアミノ酸系のシャンプーをオススメされるはずなので、それを一度買ってみて、しばらく試してみるというのが、良いシャンプーに巡り合う近道でしょう。

頭皮は肌と同じく千差万別。当然これらが合わない人もいるので、あくまで参考程度に考えてほしいところです。また、PH(酸性であるかアルカリ性であるか)も商品によってマチマチなので、トリートメントは必ず専用のものを使いましょう。

アミノ酸系は非常に成分が多彩で、薬品としての性質が違うため、洗浄後、髪の毛の状態を一定に保ちづらいもの。そこで、髪質に合わないトリートメントを選ぶとうまく保湿効果を得られず、結果的に髪を傷めることもあるので注意しましょう。

またヤシ油やトウモロコシ、ダイズ成分を主体としたものもあり、そういった商品は、成分欄を見て、該当するアレルギーがある場合は気をつけたほうが良いでしょう。

なお、前述の高級アルコール系は多くの商品に防腐剤が入っているのに対し、アミノ酸系は防腐剤が少ない場合が多く、悪くなりやすい点には注意が必要です。

特に詰め替え時に継ぎ足しで使っていると、ボトルに残った成分がじわじわと腐っていくことも考えられます。

入れ替え時は容器をしっかり洗い、アルコールなどでゆすいだ上で乾燥させ、そこに詰め替えパックから注ぎ入れて使ったほうがいいでしょう。

また使用期限もしっかり見た上で、厳密に守らなくても、あまりに逸脱しないほうがいいですね。お徳用の大入りがお買い得だからと大量購入して、使用期限切れになったものを頭に使っていては、なんのために買ったのか、ということになってしまいます。

商品例:カウブランド無添加シャンプー(牛乳石鹸共進社)、フィエーリ(ミルボン)


バサつきは避けられない:セッケン系
セッケンが主剤の、最も原始的かつシンプルなシャンプーです。高級アルコール系は肌荒れを起こすし、アミノ酸系はアレルギーがあるからダメ…といった場合の選択肢として挙げられます。

セッケン系といいつつ、高級アルコール系洗浄剤満載のものも少なくないので、成分欄見て、「全成分:水、カリ石けん素地」といった、極力シンプルなものを選ぶと良いでしょう。

皮層科で使われることが多い「シャボン玉石けん」の製造元であるシャボン玉石けんの「無添加せっけんシャンプー」は、水と余分な成分を一切含まないセッケンのみで構成されていることで、愛用者が多いシャンプーです。

しかし、価格の面ではアミノ酸系シャンプー同様、値が張るものも多く、コレが良い、コレが悪いなんてものは体質次第なので、使ってみて、合ったものを選んでね…としか言いようがありません。

洗浄力は高く、皮膚へのダメージは少ない(やや皮脂を取りすぎる点はあるものの)半面、アルカリ性でキューティクルが逆立った状態になるため、酸性の液体でキューティクルを閉じてあけなければ髪を傷めてしまいます。

専用の酸性リンスを使っても良いのですが、酢を桶に数滴垂らしたものや、クエン酸をひとつまみ入れて溶かしたものですすぐだけで、ノンオイルのリンス効果が得られます。

とはいえ、油分ゼロなので、髪の毛は基本パサパサした感じになってしまうことは避けられません。またきちんと管理していなければ腐敗を起こすので、使用期限や不潔な場所に放置しないようにするなど注意が必要です。

商品例:シャボン玉無添加せっけんシャンプー(シャボン玉石けん)
ここまでが、基本的なシャンプーについての分類となります。次からは、さらに機能が付加されたシャンプーを見ていきましょう。

高度な化学の結晶?:リンスインシャンプー
まずはリンスとシャンプーを併せ持つ、不思議な洗髪剤についてです。高級アルコール系洗剤に多く使われる、ラウリル硫酸ナトリウムなどが主成分で、中性からややアルカリ性です。これで髪の毛を洗うと油を界面活性成分が強力に包み込んで、水に溶ける状態にします(乳化)。

この状態では髪の毛のキューティクルの間に入っている油まで押し出され、髪の毛のキューティクルの間が、開いた松ぼっくりのような状態になります。

しかも髪の毛の中に新たな汚れも入りやすく、なにより指通りがゴワゴワして不愉快ですよね。

そこで、リンスのような逆性の界面活性剤を使って、電気的な反発を中和して、キューティクルを閉じさせ、髪を傷みにくくする必要がある。これがシャンプーの後にリンスを使う理由です。

いわばリンスとシャンプーは酸とアルカリの関係になるので、市販のシャンプーとリンスを混ぜただけでは、リンスインシャンプーになりません。

リンスインシャンプーは、改良したリンス成分にシャンプーの分子が静電気的にくっついた状態に調整されており、お湯の存在下ではシャンプーを遊離して油を落とし、すぐさまリンス成分が電気的に中和して、髪の毛に残るという、極めて高度な化学の結晶となっています。

皮脂の分泌が多く、頭皮が丈夫な人は、特に男性の場合、ものぐさでリンスをしない人は多いのですが、リンスをしないとキューティクルが開いたまま、そこにいろいろなゴミが入ったり、髪の毛自体がもろくなり、あまり良くありません。

そういう人にはまさにうってつけの商品でしょう。ただし通常のシャンプーより落ちが悪いので、よくすすぐことが重要です。
商品例:メリットリンスのいらないシャンプー(花王)・ソフトインワン(ライオン)


ホントに効く?:ダメージヘア用
主に、白髪染めや化粧品の定着を良くするために使われる高級脂肪酸系洗浄剤に、各種の油が含まれているのが特徴で、シャンプーでキューティクルが開いて、リンスで閉じるという行程の間に「キューティクルの間から油分を入れる」という行程が含まれているものが、だいたいダメージヘア向けとして売られているシャンプーの正体です。

ただ、実際に傷んだ髪には高級脂肪酸系のシャンプーよりアミノ酸系シャンプーのほうが頭皮を荒らしにくく、良いコンディショナーがセットになっていることが多いので、こちらを選んだほうが良いでしょう。

またこれらに含まれるセテアリルアルコールは、敏感肌を引き起こす可能性も示唆されているので、ダメージヘア用を使ったあと、頭皮がかゆくなったとか、赤くなったという症状が出た場合、速やかに使用を中断し、皮層科に診てもらうようにしたほうが良いでしょう。

頭皮をケアしないと意味がない:フケ防止シャンプー
フケ防止シャンプーの多くは、アミノ酸系シャンプーに、さらに油分が加わったもの。

フケは頭皮が乾燥し、その乾燥肌の表面が剥離し、ウロコ状に落ちてきたものです。それゆえにフケを減らすには、頭皮を潤わせればいい……ということなのですが、実はあまり根本的解決になっていません。

そもそも頭皮が荒れていることがフケの問題なので、この部分を治療しないかぎりどうしようもないのです。

それがアトピー性のものなのか、真菌の感染症なのか、それとも乾燥によるものなのかは、個人では見分けがつかないでしょう。

乾燥程度であれば、フケ防止シャンプーを使わなくとも、リンスをすすぐお湯に、桶1杯に対して、ペットポトルのキャップ2,3杯程度のグリセリンを溶かして、化粧水のような状態にして頭皮にまとわりつかせれば十分です。

大粒のフケが出るのは……ただの洗髪不足です。頭皮をしっかり洗いましょう。洗髪といっても髪を洗うのではなく頭皮を洗うということを意識して、指の腹で髪の毛を逆なでするように、きっちり揉み込んで洗髪するのがコツです。

乾燥によるフケは、余分な油を頭皮につけるより、頭皮も顔の皮膚の延長としてスキンケアをしっかりしてあげることが重要です。レベルではなく、速やかに皮膚科で治療を受けるべきです。

殺菌・消などをうたったシャンプーの中にはまた、サリチル酸を含むものがあり、強い消性があり、良く効くことがありますが、刺激が非常に強いので頭皮へのダメージが懸念されます。毎日使うものではありません。

商品例:コラージュフルフル(持田へルスケア)、スカルプD(アンファー)

この記事を見た人は、下記にも注目しています!