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医薬品企業は研究・開発された薬を製造して新薬を作る

医薬品企業は研究・開発された薬を製造して新薬を作る

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医薬品企業とは?薬を作って売る企業の総称
医薬品企業の成り立ち
日本の医薬品企業の多くは、大阪や東京で誕生しています。 武田薬品工業は、1781年に初代・近江屋長兵術が大阪の道修町で和漢薬の商売を始めたことから、塩野義製薬は、1878年に初代・塩野義三郎が同じく大阪・道修町にて薬種問屋を創業したことから始まりました。 ほかにも、現在のアステラス製薬の前身である藤沢薬品工業は、1894年に藤澤友古が大阪に藤澤商店を創業したことに、山之内製薬は、1923年に山内健二が大阪に山之内薬品商会を創業したことに始まっています。 また、第一三共は、1899年に消化不良を治すタカヂアスターゼを開発し三共商店として東京の日本橋に創業した三共と、1915年に同じく東京で梅毒を治すアーセミンを開発して創業した第一製薬が、2005年に経営統合して発足した会社です。 医薬品企業はなにをしているの?
医薬品企業は、医薬品(薬)を作って、売る、企業の総称です。 このうち、医薬品を「作る」の意味には2つあります。1つは、研究・開発して新しい医薬品を生み出すこと。もう1つは、研究・開発された医薬品を製造することです。 中でも、研究・開発は医薬品企業の生命線です。コレステロールを下げるメバロチンの研究・開発の成功が第一三共の前身である三共の飛躍の源泉であり、また、前立腺がんを治すリュープリン、胃潰瘍を治すプレバシドの研究・開発の成功が、武田薬品工業を世界的な医薬品企業にしました。このような成功例を踏まえ、それぞれの医薬品企業は、現在も積極的な研究・開発活動を行っています。 なお、医薬品の販売先は、病院などの医療機関や薬局であり、一般の消費者が直接購入することは少ないです。


医薬品生産の概略
医薬品生産の特徴
一般に、製品を生産するには多くの従業員が必要である。たとえば、電化製品の製造正場や自動車の製造工場では、製造ラインに多くの従業員が並んで作業している。 それに対して、医薬品の生産現場には従業員はほとんど見られず、ほぼ完全に自動化されている。なぜこのようなことが可能なのかといえば、医薬品は1つの新規化合物から構成されており、複雑な部品を必要としないためである。これは医薬品生産の特徴といえる。 また、日本国内の医薬品の生産金額は6兆円を超えており、そのうち、90%近くが医療用医薬品である。 医薬品の製造プロセス
医薬品の製造プロセスは、技術開発と製品供給の大きく2つに分けられています。技術開発とは、新薬の製造方法を確立することであり、製品供給とは、実際に新薬を製造することです。 技術開発は、原薬製造法確立、製剤設計、工場への技術移転の3つに分けられます。 原薬製造法確立は新薬を大量に合成する技術を確立することであり、製剤設計は新薬の安定性を確保するための製剤を設計することです。工場への技術移転は、これらの技術を実際の製造現場である工場に移転することです。 同様に、製品供給も、中間体製造、原薬製造、製剤製造の3つに分けられています。 医薬品は原料からスタートし、いくつかの段階(中間体)を経て目的とする化合物(原薬)が製造されます。この中間体を製造するプロセスを、中間体製造といいます。また、中間体から有効成分である原薬を製造するプロセスを、原薬製造といいます。製剤製造とは、原薬を加工し、最終形態である錠剤、カプセル剤、注射剤などを製造するプロセスです。



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