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医薬品の種類で外資系や国内メーカーの強い分野と弱い分野がある

医薬品の種類で外資系や国内メーカーの強い分野と弱い分野がある

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医療や薬の巨大外資メーカーといえども強い分野と弱い分野がある

新薬に関してすでに多くの分野で高い売り上げを誇っている。
国内の薬効別市場は、高血圧治療薬が9400億円規模でダントツ、抗がん剤、抗生物質が約5000億円市場、抗かいよう薬が約4000億円、中枢神経用薬、コレステロール薬、抗アレルギー薬が約3000億円、以下、糖尿病薬、抗血小板薬、消炎鎮痛剤、骨粗しょう薬といったところが続く。

外資が強い分野は高血圧治療薬や抗がん剤、中枢神経用薬などの分野で、一方、抗生物質や抗かいよう薬では国内メーカーが圧倒的に強く、外資の名前はさほど見受けられない。

世界的な巨大外資といえども、国内においては凖大手規模以下の医薬品メーカーにすぎないから、すべてを幅広く手がけるのではなく、得意分野に絞り込んでの事業展開を心がけているのだろう。
「選択と集中」だ。

高血圧治療薬の分野もいくつかに分かれているが、ARB剤(アンジオテンシンH 受容体拮抗剤)では、武田のプログレスが売り上げ2100億円規模でダントツ、それに次いで、ノバルティスのディオバンが約1000億円、米メルク系の万有製薬のニューロタンが約700億円と続く(売り上げは05年の推定。Ca 拮抗剤(カルシウム拮抗剤)ではファイザーのノルバスクが約1200億円とトップを走る。

ノルバスクと同一成分の大日本住友製薬のアムロジンが600億円とこれに続く。3位はバイエルのアダラートで約400億円。ACE阻害剤(アンジオテンシン変換酵素阻害剤)では万有製薬のレニペースが約200億円とトップを走る。

抗がん剤分野では、代謝拮抗系として大鵬薬品に次いでイーライリリーのジェムザールが約100億円の売り上げ。分子標的薬剤としては、ノバルティスの白血病治療薬グリペックが約300億円、スイスのロシュ系の中外製薬の悪性リンパ腫薬リツキサンが約200億円、アストラゼネカの肺がん治療薬イレッサ、中外製薬の乳がん治療薬がそれぞれ100億円規模となっている。

また、ホルモン系では武田のリュープリンが約600億円と圧倒しているが、アストラゼネカのカソデックス、ゾラデックス、アリミデックス、ノルバデックスの4品目で800億円規模とこの分野では同社は強い。

植物由来系ではブリストルマイヤーズスクイブのタキノテールが約300億円、サノフィアペンティスのタクソテールが約100億円となっている。

中枢神経系でも外資の医薬品は強く、抗うつ剤ではグラクソスミスクラインのパキシルが約500億円と2番手以下を圧倒し、統合失調症薬ではイーライリリーのジプレキサが約300億円、ヤンセンファーマのリスパダールが約300億円と大型医薬品として定着している。

催眠鎮痛剤ではベーリンガーのレンドルミンが約100億円、ファイザーの( ルシオンが100億円弱となっている。

抗かいよう薬ではアステラス製薬、武田薬品、エーザイといった日本企業が強く、外資ではグラクソのH2ロッカーのザンタックが約100億円、アストラゼネカのプロトンポンプ阻害剤オメプラールが約300億円。

コレステロール治療薬では、ファイザーのリビドールが900億円と圧倒している。世界で最も売れている医薬品だけにさすがの強さだが、国内ではアステラス製薬がライセンスを受けて販売している。

三共のメバロチン、メルク系の万有製薬のリポバスといったところが追走しているが、いずれも特許が切れているため、ジェネリックに押され、薬価も厳しく引き下げられ、特許期間内のリビドール以上の上積みは見込めないところ。

アレルギー剤分野でも外資は強く、抗ヒスタミン系でサノフィアペンティスのアレグラが約300億円、日本ベーリンガーのアレジオンが約200億円、グラクソスミスクラインのジルテック、シェリングプラウのクラリチンがそれぞれ約100億円規模だ。

抗アレルギー剤ではノバルティスのザジテンが約100億円。ロイコトリエン受容体拮抗体ではメルク系の万有製薬のシンクレアが170億円、ステロイド剤ではグラクソスミスクラインのフルタイドが約200億円と、確実に上位に食い込んでいる。


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