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新薬が発売されるまでの期間が日本は他国と比べて長い│ドラッグラグ

新薬が発売されるまでの期間が日本は他国と比べて長い│ドラッグラグ

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ドラッグラグの問題点
ドラッグラグとは、欧米など世界各国で承認。発売された新薬(ドラッグ)が、日本国内で承認・発売されるまでの期間(ラグ)のことです。

ドラッグラグには、審査期間のラグ、治験実施期間のラグ、治験着手までのラグと、3つのラグがあります。日本での審査期間は、米国のおよそ2倍、欧州のおよそ1.5倍といわれています。このように審査期間が長くなる理由は、新薬の審査を担当する審査官の人数がかなり少ないためです。

さらに、日本では承認申請までの期間も長いです。
米国のように、国民皆保険制度が確立されていない国では、医薬品や検査の費用が無料になる治験に参加する人も多く、また、治験が新しい医薬品の研究・開発に必要不可欠なことも理解されています。

一方の日本では、国民皆保険制度があるため、安全性や有効性を調査する治験に参加する要素が乏しく、また、治験に対する理解も進んでいないのが現状です。そのため、治験に必要な患者を集めることが難しいのです。

適応症も同じ医薬品にもかかわらず、使用できる国に差があることは、近年問題になっている「ドラッグラグ」の原因でもあります。

そこで、治験環境を世界同時開発できるよう整備し、ドラッグラグをなくしていこうという動きがあります。 しかし、現状では治験コストや症例データ収集の速さに差があり、一筋縄ではいきません。

いままで治療薬のなかった領域に対する画期的な新薬は別ですが、すでに一定評価のある治療に対し、それを上回る有効性があると思われる治験薬へ、患者がリスクをとってまで治験に参加しないのです。 そのため、日本製薬工業協会は治験参加ヘの不安解消のためキャンペーンを毎年展開しています。


ドラッグラグの解消方法
ドラッグラグを解消するには、まず新薬の審査官を増やす必要がある。米国ではFDAが新薬の審査・承認を行うが、FDAには2000名もの審査官がいる。

一方の日本は、10分の1の200名ほどである。厚生労働省は、米国並みの審査ができるように、審査官の人数を増やす方針である。

加えて、日本国民の治験に対する理解を深めることも必要である。 多くの患音が治験に参加するような環境になれば、日本での治験も実施しやすくなります。

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