半身浴や水風呂は健康によいどころか体を冷やすので逆効果
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水風呂に入るのは、自分で熱をつくりにくい冷え性の人には逆効果
ある医者が、テレビ番組でこんなふうに言っていました。「冷え性を治したいなら水風呂に入りなさい。冷たい刺激によって、自分で熱をつくる力を鍛えることで冷え性は治ります。反対に、温かいお風呂で体を温めると、自分で熱をつくる力が奪われて、冷え性は悪化します」
この健康法を実践して、健康のために水風呂に入っているという人もいることでしょう。冷水で血管が締まることで血管が強くなる人もいるかもしれませんが、それは、体に負荷をかけても平気な強い人、また、自分で熱をつくれる人の場合にかぎられます。
自律神経のバランスが乱れている人は、自分で熱をつくりにくいために冷え性になりがちです。水風呂は、自分で熱をつくりにくい冷え性の人には逆効果ですし、ひとつ間違えれば心臓麻痩を起こしてしまうリスクもあります。
なかには、お風呂からあがったら水を手足にかけて寝ると、体が温まると言う医者もいますが、低体温の人がそんなことをやったら、ますます体を冷やして病気を呼び込むことになってしまいます。けっしておすすめできません。
なにかのマニュアルをつくるときは、弱い人を基準に考えてあげないと事故が起きてしまいます。たとえば漢方薬。強い人に出す漢方薬と弱い人に出す漢方薬があって、強い人に弱い漢方薬を出しても効かないだけですが、弱い人に強い漢方薬を出すと下痢が止まらなくなったり、さまざまな弊害が起きてしまうことがあります。
半身浴は実際は体を冷やしてしまいます
半身浴が冷えにいいという医学的根拠は、まったくありません。逆に、半身浴は体を冷やすのでよくありません。
半身浴が必要なのは、心臓の弱い人です。全身浴にすると水圧が全身にかかって、心臓に戻る血液量が増えて負担がかかるためです。そういった方が半身浴をするなら30分から1時間が目安ですが、無理は禁物です。
よく、半身浴をするときは寒いからタオルを肩にかけろとかいわれていますが、そんなことをするより、肩までお湯につかったほうがいいに決まっています。心臓に問題がある人以外は、肩までお湯につかる全身浴のほうが冷えには有効です。全身浴をすると、心臓に戻る血流が増えるので血のめぐりがよくなります。
じっくりと時間をかけてバスタブにつかることが重要です。お湯の温度は体温プラス2度の38~40度くらいで、ぬるめのお風呂に30分つかるのが理想ですが、最低でも10分はかけてください。こうしてぬるめのお湯に肩までつかると、副交感神経優位の状態になり、心身ともにリラックスできます。
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