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骨折して寝たきりにならないように転倒危険度テストでチェック

骨折して寝たきりにならないように転倒危険度テストでチェック

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年をとって骨折すると「寝たきり」になる

高齢になって、一番心配なことは年をとって骨折すると「寝たきり」になることです。寝たきりになる原因の多くは、脳血管疾意によるものです。第2位が老衰ですが、転倒による骨折が第3位に入っています。

年をとると体力が低下して、さらに骨密度が低下します。とくに女性は、80歳を過ぎたころから骨密度が低下します。そのため、転倒すると骨折することが多くなるのです。

手首、ひじの骨折なら日常生活にそう影響はありませんが、足首、ひざ、股関節、腰椎など下半身の骨折は、深刻な事態となります。ギプスによる自然回復にせよ、手術にせよ、少なくとも1カ月程度は不自由な生活を送ることになります。

その間、使わない下半身の筋肉が衰えてしまうので、骨が正常に戻った段階でリハビリを行います。本来なら、これで以前と同じ日常生活が送れるようになります。

しかし高齢者の場合、心理的、精神的に落ち込み、そのまま寝たきりになってしまうケースもあります。また、回復して歩けるようになった人でも、「また、転んだらと転倒に対する恐怖心を抱き、外出を控えるようになりがちです。

体力が衰え、最終的には寝たきりになってしまいます。

高齢者が転倒する危険があるのは、屋外だけではありません。むしろ、家の中での転倒が多いというデータがあります。風呂場、階段、玄関など、家の中には段差が各所にあります。

股関節の筋肉が衰えている高齢者は、こういった場所で転倒する危険があります。さらに、居間や寝室も油断はできません。カーペットのめくれや電気コードなどに足を引っかけて転倒することも多いのです。

転倒による骨折を防止するには、まずは自分の体の状態をよく知っておくことです。具体的には、骨が老化していないかどうかをチェックすることです。

今では簡単に骨密度を測定できるので、心配な方は自分の骨密度を測定しておきましょう。骨密度が70%以下の場合、骨粗しょう症と診断されます。

転倒危険度テスト
次に紹介する運動能力テストで自分が転倒しやすいかどうかをチェックしてください。

開眼片足立ち
目を開けたまま、どのくらい片足を上げたままでいられるかをチェックします。片足を上げるときは、両手を腰に当てておきます。

上げていた足が床についた、支えている足に触れた、手が腰から離れた、支えている足がずれた、のいずれかで測定は終了します。このテストは、転倒しないように壁や手すりの近くで行ってください。

判定
このテストでは、脚の筋力と体のバランス感覚があるかどうかが分かります。2回測定して、どちらも30秒以内だったら、転倒の危険性があります。

10メートル全力歩行
まっすぐに引いた10メートルのラインを全力で歩いて時間を計測します。2メートル前からスタートして、2メートル先まで歩きます。ですから、合計14メートル歩くことになります。

判定
このテストでは、スピードがあるかどうかが分かります。2回測定して、どちらも7秒以上かかったら、転倒の危険があります。

歩幅
できるだけ大きく片足を前に踏み出して、後ろの足をその横にそろえます。反対側の足も同じようにして、その歩幅を測定します。

判定
このテストでは、股関節の柔軟性と脚の筋力があるかどうかが分かります。男性は100センチ以内、女性は90センチ以内だったら、転倒の危険があります。

以上のテストで基準値以下だった人は、日常生活に必要な筋力、スピード、バランス、柔軟性に欠けている可能性があり、転倒の危険があります。
これを見て分かるように、転倒しないためには、筋力、スピード、バランス、柔軟性の4つの要素を高めることが必要なのです。

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