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長寿は家系に遺伝する!実は2つの共通点が存在した

長寿は家系に遺伝する!実は2つの共通点が存在した

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長寿は家系に遺伝する!実は2つの共通点が存在した
長寿に共通の気質とは
日本人の寿命は世界一になりましたが、長寿の方にはどんな特長があるのでしょうか。85才を過ぎて健康で生きている人は、医師から「人生のエリート」と呼ばれます。

実際エリートと呼ばれるだけあって、85才まで健康で長生きする人は、病気になって手術をしても、問題なく回復して、普通よりも早く退院し、元気に帰られる人が多くみえます。

長寿の人の性格をみてみると、せっかちなところがなく、激しい欲もない、しかし人生を楽しんでいるという傾向にあります。また特別に裕福でもなく、お金に困ることもない生活水準であることが多いようです。

要するにストレスの少ない生活をしているということになります。今いちばん寿命を縮める原因になっている癌や心臓病、高血圧などと深く関連するのはストレスだと思われます。

長寿の方はこのようなストレスを、軽く受け流すことができるような、そんな柔軟な、そしてさっそうとした生き方をしている人が多いように思います。

その例として、大きな手術を受ける時も、医師から受ける説明に対して、動じることなく「おまかせします」と言える人が長寿の人には圧倒的に多いことです。

ここまで生きればもう満足、死んでもかまわない、という気持ちなのかどうかはわかりません。本当に不思議なのですが、神経質に根ほり葉ほりと、何度も同じことを聞きかえす方は、ほとんどいません。

このように、長寿の方には、家系や共通する気質というものがあるのは確かです。


長寿に共通の体質
では、長寿の人に共通する体質というものはあるのでしょうか。長寿の方に共通する体質のデータで注目すべき点は「血圧」です。

血圧の低い人ほど長寿になる可能性があります。通常血圧というのは、年齢と共に(動脈硬化と共に)少しずつ上がってくるのですが、若いころ、血圧が低かった人は、80才や90才を過ぎても120や130という血圧を保っている人が多いのです。

また、低血圧症の若い方に問診すると、往々にして長生きの祖父母がいる人が多い、ということも裏付けのひとつです。

よく、「私は血圧が低いから、朝が弱い」とか、「体力がない」という方がみえますが、心配はいりません。もちろん、血圧が低いといって悩む必要はありません。むしろ、長生きできると感謝すべきでしょう。

もうひとつ長寿の体質の条件をあげるとすれば「体重」です。体重が重くて長寿の方はまずいません。痩せ型の健康体というのは長寿の秘訣でもあります。

また体重と併せて、コレステロールの値、中性脂肪の値も気をつけておいたほうがいいでしょう。

コレステロール値はだいたい219くらいまでが正常値なのですが、本来は200以下にコントロールする方がよいと思われます。

コレステロール値が200、240、300と、段階を経て上がっていくにしたがって、心筋梗塞や狭心症の頻度が1.5倍、2倍、12.4倍と高くなりますし、コレステロール値や中性脂肪の値については家系で遺伝しますので、家族全体で気をつけるべきでしよう。

コルステロール値や中性脂肪値をコントロールするには、食事に気をつけるだけでなく、適度な運動をつづけることが必要です。そして、それは精神的にもリラックスした状態をつくるので効果的です。


寿命は家系が影響する
生活習慣病とは無縁の長寿について述べてみます。みなさんは、家系によって寿命が長い家系と短い家系というのがあるのはお気づきのことでしょう。長寿の家系は、代々長生きの方が多いというのは事実です。最近の研究では、長寿に関する遺伝子が判明しているそうです。

家族歴すなわち家系の病気というのは、医師にとっては、問診の際に大切なデータとなります。すなわち、ご両親、ご兄弟など親戚縁者にある病気は、自分に起こりうる病気と考えてよいでしょう。

たとえば、癌の家系は癌の病気、また血圧の高い家系は血圧にちなんだ病気に注意しなければなりません。また不思議なことに、子供は父母が亡くなった年齢と似た年齢で亡くなるケースも多いのです。ご自分でも気にしているからかもしれませんが、それくらい寿命というのは遺伝するものなのです。

胃腸の癌の患者さんは、同じ家系に癌の方が高率でいます。また、癌になられた家族が多い家系では、癌になる年齢が他の家系に比べて若いということもわかっています。

兄弟全員が癌で亡くなることもあります。同様に、高血圧の家系では、20代、30代から血圧の高い人が多いです。

ここで、不思議なことがあります。詳細にお話を伺っていると、「どうしてそこまで聞くのだろう?」と、いぶかしげな顔をされる患者さんがいることです。

癌や高血圧、糖尿病などの病気になる方が多数みられる家系では、その患者さんの未来の病気に対して、この上ないサインになるので詳しく伺うのですが、患者さんにとっては、他の家系の病気はご存じないので、自分の家系に癌や心臓病が多発することには、何の疑問も持っていないことが多いのです。ということは、その病気に対して余り注意を払っていないということです。

ご自分の家系の病気を、一度よく調べてみることは健康維持にきっと役立つはずです。肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症などの因子は、脳や心臓の血管疾患と大きな相関がありますので、年齢に関係なく、医師にご相談されることをおすすめしたいと思います。

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