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薬は商品名と一般名の2つある|語源や漢字に関する役立つ知識

薬は商品名と一般名の2つある|語源や漢字に関する役立つ知識

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そもそも「くすり」って何なのでしょうか?

薬ってなに?
一般に「医薬品」といい、配合されている成分の効果が認められているものをいいます。
薬事法では、

①厚生労働省が定めた医薬品の規格「日本薬局方」に記載されている
②人や動物の診断、治療予防に使用されることが目的とされている
③人や動物の身体構造や機能に影響を及ぼすことが目的とされている

このいずれかに当てはまるものを医薬品と定義しています。

医療機関で医師が処方する「医療用医薬品」、薬局・薬店で販売されているかぜ薬、胃腸薬、目薬などの「一般用医薬品」(市販薬、大衆薬ともいう)がありますが、主に医療用医薬品について解説します。

医薬部外品とは、医薬品に準ずるものとして効果が認められた成分が配合されてはいますが、薬事法では、吐き気や口臭、体臭、あせもや脱毛の防止、人や動物の保健のために使用する害虫駆除などを目的としたもので「人体に対する作用が緩和なもの」、つまり「効果が期待できる」という程度のものです。

ダイエット食品や健康食品はあくまで「食品」なので、基本的には、身体への効果は認められないとして規制されています。

一般名・商品名とは?
化学構造に基づく世界共通の名称のことを「一般名」といい、製薬会社が個々につける製品の名前を「商品名」といいます。

基本的に1つの物質に対して1つの一般名がつけられており、化学構造が同じでも製薬会社、薬の含有量、製剤によって異なる商品名がつけられ販売されています。

薬の成分やその作用を知るためには、一般名を基準に考えたほうがいいでしょう。しかし、医師はたいてい商品名で処方し、処方箋には商品名だけが記載されていることがほとんどです。一般名がわからず不安に思ったときは、医師・薬剤師に尋ねてみましょう。

病気やケガの治療などに用いられる「くすり」の語源は、形容調「奇し」であるといわれています。「奇し」の「奇」は、奇術、奇跡などに用いられる漢字で、「奇し」とは、不思議である、霊妙であるといった意味のことばです。

つまり「くすり」は、音の人にとって奇しき力、すなわち特別な能力を与え、不思議な力を発揮するものと考えられていました。

これは、古くは万葉集に、「我が盛り いたく降ちぬ 雲に飛ぶ 薬食むとも また変若めやも」(私の盛りの時は過ぎ、すっかり下り坂になってしまった。

雲の上にまで飛べるという薬を飲んでも、再び若返ることなどできようか)という一節があることからもよくわかります。また、「酒」のことを今は「サケ」といいますが、昔は「クシ」といっていました。

古事記の中にも酒の神「くしのかみ」が出てきます。酒を飲むと心も体もよい気分になり、酒は霊妙な力をもち、効力を奏すということから酒のことをクシというようになったともいわれています。

「百薬の長」ともいわれるこの「酒」と「薬」は、歴史をたどってみると同じ意味で使われていた言葉であったようです。

薬という漢字の意味は?
薬という漢字は、草を表わす「クサカンムリ」と音を表わす「楽」から成り立っています。薬草や植物を意味する「クサカンムリ」。

そして、「楽」という字は、「治療」の「療」(治す)と解釈されたり、楽にする、苦しみから解放すると解釈されたりします。つまり、「薬」は、病気や傷を治療する草・植物の意味であるといえます。

薬にまつわる言葉
「やかん」は漢字で「薬缶」と書きます。昔は「草(薬)」を煎じて、布でこし、薬として使用していました。この薬を煎じる道具は、銅などの金属でつくられ、直接火にかけることができ、今のやかんと同じような形をしていました。

この薬を煎じる道具をお茶を飲むために使用するようになり、お湯を沸かす道具としてのやかんが誕生しました。このようなことから、やかんは漢字で「薬缶」と書くのです。今や私たちの身近な存在である薬。薬と上手に付き合い、心も体も健康で快適な毎日を過ごしましょう。

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