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眼精疲労やドライアイで目薬に頼るのはダメ!正しい点眼方法を

眼精疲労やドライアイで目薬に頼るのはダメ!正しい点眼方法を

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眼精疲労、ドライアイ
目薬は1滴で十分
目は脳の一部といわれるほど大事な感覚器官です。外界からの情報、つまり、映像(光)をキャッチして角膜、水晶体により屈折させ、水晶体を通って網膜で像を結び、これが視神経を通って、脳へ伝達されます。

目薬に頼りすぎるのは危険
現代人には、職場や学校でのIT(情報技術)機器の普及により、テクノストレス症候群といわれる、疲れ目、かすみ目などの眼精疲労を訴える人たちが増加しています。

眼精疲労とは、こうした疾患が原因であるほかに、遠視、近視、乱視などにより像が歪み、これを修正しようとして水晶体を支持している毛様体筋が働き、疲労が蓄積している状態をいいます。また、 ドライアイ(乾性角結膜炎)も眼精疲労を引き起こす要因です。

これらの症状には、毛様体筋を支配している副交感神経作用薬、栄養を補給し代謝を促進するための各種ビタミンなどの成分が配合された目薬の利用がお勧めです。

このほか一般薬では、花粉症などの抗アレルギー薬や痒み止め、結膜炎やものもらい(麦粒腫)などのときに用いる抗菌剤、 ドライアイやコンタクトレンズを装用している人などに用いる人工涙液なども販売されています。

しかし、一般薬には限界があります。眼精疲労の場合なども含め、使用感(すっきりと爽快などのキャッチフレーズ)などに惑わされないように、薬剤師と相談してご自身の状況に合わせた目薬を利用することが大切です。



正しい点眼方法が早期治療の原点
(1)点眼順序を守る 点眼する際には、まず、手を石鹸でよく洗ってください。目薬は汚染されやすいからです。上を向いて下瞼を軽く引き下げ、1回1滴をさします。

このとき、点眼薬の容器が目や瞼、睫毛に触れないよう注意し、目薬をさしたら1~ 2分間目を閉じ、目薬を目の中にとどめておきましょう。はみ出した目薬は清浄綿、濡れたティッシュなどで拭き取っておくようにします。

(2)最低5分間程度あける 複数の成分が配合されている一般薬では、何種類もの目薬を使うことはあまりありませんが、複数点眼する場合には最低5分程度の間隔をあけましょう。

(3)寝る前にさしても心配いらない 寝る前の点眼は、しないほうがよいとの話はいまだに聞きます。これは防腐剤の影響を考えてのことで、最近の目薬は使い捨てタイプなどもありますから、寝る前の指示であっても問題ありません。

(4)余分なものは溢れ出るからムダである 点眼した目薬は角膜から吸収されます。目にも受け入れられる容量というものがあり、1回の点眼量は約50μL程度です。

しかし、目の容量はその半分程度の30μL程度しかありませんから、実は1滴でも多いのです。一度に2滴、3滴も入れると、溢れた目薬は涙小管より鼻涙管を通って鼻やのどに到達し、粘膜より吸収され全身作用を示す場合や、目から流れ落ち目周囲の皮膚炎を起こすこともありますから、注意が必要です。

(5)一度でも使用した目薬は1カ月以内に使い切る こんな話をよく聞きます。「半年前に買って使い残しの冷蔵庫の目薬、まだ使えるよね」。このようなことは絶対に避けてください。

使用の際は濁り、色調の変化などをよく見てから使用してください。古い目薬は、厄介な感染症や、強い痒みの原因にもなります。もし、このような症状が現れている場合は速やかに眼科を受診しましょう。使用後はキャップをしっかり締めて冷暗所に保存してください。


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