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患者数が少なく採算が取れない医薬品オーファンドラッグとは

オーファンドラッグとは

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日本における3つの承認条件

オーファンドラッグとは、再生不良性貧血やエイズなどの難病の治療で必要性が高いにもかかわらず、患者数が少ないため採算が取れない医薬品のことをいいます。製薬企業が開発に取り組みにくため、開発支援制度がもうけられています。

日本において、国からオーファンドラッグの指定を受けるには、次の3つの要件をすべて満たす必要があります。
① 我が国において患者数5万人未満の重篤な疾病が対象であること。
② 代替する適切な医薬品または治療方法がない、もしくは既存の医薬品と比較して著しく高い有効性または安全性が期待されるなど、医療上、特にその必要性が高いこと。
③ その医薬品を使用する理論的根拠があり開発計画が妥当であると認められるなど、開発の可能性が大きいこと。

米国では対象患者が20万人以下の医薬品をオーファンドラッグとし、税制上の優遇に加えて7年間の市場独占権を認めています。

日本では薬価設定時に、「患者数が極めて少ない疾患を適応として承認されたもの」には市場性加算(Ⅰ)として5~15%が、「市場規模が小さく、新医薬品の開発が少ない薬効群に属するもの」には市場性加算(Ⅱ)として1.5~4.5%が加算されるようになっています。


日本におけるオーファンドラッグの例を見てみると、当然ながら、患者数が非常に少ない病気に対する医薬品が承認されています。たとえば、ムコ多糖症は、進行性の小児難病であり、新生児5万人に1人の発生率で、日本の患者数は推計300人という稀少疾患です。

また、ベーチェット病は、慢性再発性の全身性炎症性疾患であり、シルクロードの沿線でのみ見受けられる稀少疾患です。

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