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絆創膏のタイプによって傷口の効果が違うので適切なものを選ぼう

 

絆創膏のタイプによって傷口の効果が違うので適切なものを選ぼう

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絆創膏のタイプによって傷口の効果が違うので適切なものを選ぼう

傷をふさげれば食品用ラップでもOK?
切り傷や擦り傷は傷口を乾燥させるべきか、それとも密封すべきか、どちらがきれいに早く治るでしょうか?

結論からいうと、どちらも傷口をいじらないかぎり、治る速度は大差ありません。しかし、治った痕を見ると、絆創膏などで傷口を乾かさないようにした場合のほうがきれいに治ります。また絆創膏は傷口がこすれるのを防ぐという意味でも、貼ったほうが無難です。

絆創膏を貼りっぱなしにしていると、中で細菌が繁殖したり、悪さをしそうな気もしますが、多くの場合それは気にする必要はありません。むしろ、外気に触れたり紫外線に当てたりすることが傷の治りを遅くします。

これは湿潤療法といって、「水でよく洗う、消をしない、乾かさない」の3原則による治療法で、比較的新しく出てきた考え方ですが、創傷(特に擦過傷)治療においては、現在の主流といえます。

薬局等では、傷の治りを早くするとうたう「キズパワーパッド」(ジョンソン・エンド・ジョンソン)をはじめとする、絆創膏としてはやたらと高額で、目立つ商品が並んでいるのをご存じの方も多いでしょう。

湿潤療法の考え方は、傷口ができたら流水などで洗浄したあとは、外気と遮断して封印するというものです。極論すれば、別に傷口がふさがってさえいれば、特別な絆創膏でなくても、食品用ラップフィルムでもテープでも良いわけです。

実際に、病院によっては広範囲の擦り傷なんかには、パラフィルム(食品用ラップフィルムのようなもの)で傷を覆ってしまうこともあります。

絆創膏ってどんな種類があるの?
薬局等の絆創膏のコーナーに行くと、あまりに多くの絆創膏があり、どれも同じように見えます。しかし、よく見てみると、価格帯が2種類あるのに気がつくでしょう。

いわゆる普通の絆創膏で数十枚入り数百円の安価なタイプ、そして湿潤療法対応絆創膏はわずか10枚で1000円近くする高価なタイプです。

ほかにもさまざまな商品がありますので、タイプ別にそれぞれの利点と弱点を紹介します。


ノーマルな絆創膏(救急絆創膏)
テープの真ん中にガーゼがついており、多くの人が「絆創膏」(バンドエイド、リバテープ、キズバン、カットバン、サビオ等、地方で呼び名が違う)と聞いて連想する一般的な傷パッチです。

利点は価格が安いことです。安いから悪いということもなく、使い方によっては高いものを買わなくても十分に効果があります。

弱点は、ガーゼが傷口に張りついてしまうことがあり、はがす際に傷口を荒らしてしまう可能性があることです。安価なものほどテープの粘着力が弱く、簡単にはがれ落ちてしまうことも難点です。これらは、後ほどの利用法で解決法を紹介します。

商品例:300~400円以下の安価なものすべて。

湿潤療法対応絆創膏
非常に高価です。1枚100円前後という絆創膏としては異様な値段のため、さぞかし貴重な成分が使われているのではないかと感じさせますが、使用されているのは吸水性ポリマーなどで、外側は密着度が高く水気をよく吸うテープです。

この性質が弱点でもあり、入浴時などには水を吸ってふくらむこともあり、何度も貼り替えなければならないこともしばしばあります。傷口には張りつかないので、貼り替える時に痛みを生じたり傷が悪化することはありませんが、経済的ではありません。

商品例:キズパワーパッド(ジョンソン・エンド・ジョンソン)


液体絆創膏
知名度が極めて低いのですが、鋭利な刃物などでできた切り傷には、かなり有効な絆創膏です。中身はシアノアクリレートという、瞬間接着剤と同じ成分のものです。

町工場などでは、ケガをしたら瞬間接着剤で傷口をくっつけるという勇ましい人の話を聞きますが、意外と理にかなっているといえます。しかし、もちろん工作用の瞬間接着剤を傷口に使うことはオススメできません。

直接傷口に液体絆創膏をつけただけでは、こすれたときや水仕事の際にはがれてしまうこともあるので、単品で使うよりも救急絆創膏など、他のものと併せて使うと安心感が高まります

また、最近はシアノアクリレートではなく軟膏タイプのやわらかいクリーム剤で傷口を外気から守るタイプのものもあります。

商品例:エキバンA(タイヘイ薬品)、メンソレータムヒビプロ(ロート製薬)、アーチスキン(大正製薬)


テープ型絆創膏
救急絆創膏のガーゼをなくしたような、傷口を固定することに特化した絆創膏。モノによっては湿潤療法的な効果もある上に価格も安く、まさに良いところ取りをしたといえる商品です。

ただし、商品のコンセプトがメーカーによって違い、商品選びが難しく、またどこでも簡単に入手できるというものではありません

商品例:ハイドロコロイド包帯(瑞光メディカル)


防水フィルム
絆創膏ではありませんが、傷口を水から守る防水用フィルム・テープ類も、絆創膏のコーナーにセットで置いてあることが多いです。

この商品は、使い方によって傷治療にかなり有用です。しかしセロファンなどの防水材はメーカーによって質に差があり、粗悪なものも多く出回っているので注意が必要です。

商品例:ネクスケア(住友スリーエム)

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