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便秘は便秘薬ではなく原因を突き止めないと大量の薬が必要になる

便秘は便秘薬ではなく原因を突き止めないと大量の薬が必要になる

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体からのイエローカードの便秘を見逃さない
便秘がちだから便秘薬を飲む。これは大きな間違いです。
急性の便秘は大腸ガンや腸閉塞といった重大な病気の原因となりますが、慢性的な便秘は、ほとんどが命にかかわるものではありません。

ただ、便秘になっていること自体がまずは問題です。
消化、吸収、排泄という、体を維持するための重要なプロセスがスムーズでないという1つの証拠だからです。これを軽視してはいけません

しかし、それを便秘薬で解決しようというのは、大間違いなのです。
便秘とは、ひと言で言えば、腸管の働きが不十分なために便が出ない症状です。

これを便秘薬で安易に対処すると、腸管はますます動かなくなります。するといずれは便秘薬が効かなくなり、量や種類が増えることになります。

量や種類を増やせば、またしばらくは効くようになるかもしれませんが、ますます腸管が動かなくなるので、薬の効果が出なくなるのは時間の問題です。

というような「いたちごっこ」を続けているうちに、山盛りの便秘薬を飲んでも数日に1回くらいしか便が出ない、なんてことにもなりかねません。
薬に頼るうちに、腸管は自分で動くことを忘れてしまいます。自分が動かなくても便は出るんだと、開き直ってしまうのです。

もちろん、この腸管の開き直りは、薬を飲んでいる自分自身にもあてはまります。

「薬を飲めばスッキリ出るんだから、それでいいじゃないか」というわけです。
ところが、そうしているうちに便が出にくくなるばかりか、この状態がいずれ重大な健康障害を招くとしたら…開き直ってはいられません。

たしかに慢性便秘は、ほとんどが当座の命にかかわるものではありません。

でも、長い目で見ると、便秘を生み出している原因が、健康度(自己治癒力)を低下させ、寿命に大きくかかわってくることは間違いありません。つまり便秘は、「何かがおかしい」という体からのイエローカードなのです。

便秘の原因は、さまざまです。人によればストレスかもしれません。不規則な生活リズムかもしれません。食生活に問題があるのかもしれませんし、単に運動不足が原因かもしれません。

大事なことは、その原因を放ったらかしにしておくと、やがてもっと大きな病気につながる可能性が高いということです。

たかが便秘と思うかもしれませんが、便秘は1つの指標です。便秘には何らかの原因があるはずで、その原因を改めたほうがいいですよ、という体からのイエローカードなのです。

そういうふうにとらえると、「たかが便秘」ということにはならないでしょう。

「私は便秘体質だから」などと言う人もいますが、そんな「体質」は存在しません。

便秘は、間違った生活習憤の結果にすぎないのですから、便秘が続いているのなら、自分の生活習慣を振り返ってみる必要があるということなのです。